弊社代表の別所へテレビ朝日から党首討論の取材(4.21)

4月21日15時から実施された党首討論について、議論の分析や改善点のコメントが欲しいという依頼を再び受け、弊社代表取締役の別所栄吾が答えました。 この内容は、4月22日の午前7時ころ、「やじうまプラス」の中で放送されました4月1日放送分は、こちら

今回は、前回以上に課題や改善方法を詳細にコメントしております。本ページの下方に、コメント用のメモを掲載します。放送は、こうした内容のごく一部が放送されています。

   

   

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コメント準備原稿

★過去2回の党首討論では、「政治と金」についてのネガティブキャンペーン中心
 だったが、「国家基本戦略」につい
のて話が少しは増えてきた。
★政策について議論しているのではなく、首相に説教をしているように聞こえる。
 内容や話し方がNG.無礼。
★普天間が多すぎ。他の政策について追求がほとんど無い。

1)冒頭での問題点の列挙(多すぎ)<問題発言>
→マニュフェスト違反を例示する。高速道路などを示して、言い訳をさせるべき
 党首討論は、1問1答だから質問を分割して3問で追い詰めるようにすべき
 (同一論者の質問は3回までという国会の縛りは無い)
つまり、「6月の高速道路の料金改定案は、これまでの制度より、どこが良くなったのかを説明して欲しい」と質問すべき。更に、継続質問をする。民主党の川内博史衆院国土交通委員長が、料金改定に異を唱えたことについて、鳩山首相は、16日の会見内容を引用する。つまり記者団に「土日だけでなく毎日同じ(割引の)シンプルな制度に変える方向性は間違っていない。川内氏も若干誤解があると強調した。この誤解とは何か、どのように誤解が解けたのかを説明して欲しい」と3回は質問を継続すべき。
    
また、政府の6月改定案を採ると、実質値上げになるので、自民党時代の方が、民主党のマニュフェストに近かったと議論して欲しい。(しかし「国民の負担が少ない」という言い方をすると、自民党は衆愚政治の集大成に見えてしまう)

2)感情的な議論はしない(ネガティブキャンペーン)
「労組依存の御党ではできない」=これでは労組=悪という意味に聞こえる。

「札束でほっぺたをたたくようなやり方を今までされてきたかもしれないが、新政権はしない」
(この鳩山さん不適切発言、谷垣さんはいずれにも反応せずスルーした。紳士的に見えた)
3)議論の継続、深堀ができない(3種の質問:継続質問、関連質問、その他の質問)
 「核セキュリティサミットで、正式な会合を日本として申し込んだのですか?」と短く訊くとよい
 「10分間のオバマ大統領との対談」→ANS「これくらいがよろしい」という答えに対して、
 「それで、新しい関係を築けたのか? 日米安保、経済、核全て話すことができたのか?」
 「初めて会った人(オバマ大統領)と、わずか10分の会話で信頼関係ができたのですか?」
  と、3問続けると、相手のボロがより明確になる。

4)言葉の定義をもっと深堀すべき

鳩山さんの「新しい日米関係を作る」これ何か?、今までとどこが違うのかを尋ねると良い。
相手の議論・言葉そのものを追求しないと、議論は深まらず、拡散してしまう。

5)議論を反転(turn around:TA)させるべき
 「沖縄の人が伝えてくれたから、選挙で勝ったから」という鳩山さんの回答に対して、
  その論理を用いて議論を戻すべき。

 「あなたの論理をなぞれば、徳之島の人がNOと伝えれば、そこに移転させないのですね。」

 「もし、徳之島の町長が辞職して、基地移転反対を表明した人が当選すれば、徳之島には
  移転させないのですか?」

この質問に、「はい」と答えた場合、本当に辞職されたら、窮地に追い込まれる。「いいえ」と
 答えた場合、自己矛盾となる。どちらで回答がなさても、相手を追い込むことができる。
 (=ジレンマの議論)

6)捨てる議論と拾う議論の峻別が今一歩 
「旧政権では、何も進んでいなかった」という指摘(英国議会ディベートではこの逆質問ができない。
 日本は可)には、面倒でも第2回の党首討論で説明した「環境アセスメント完了前には、クイは打て
 ない」と呼応すべ
き。しなければ自民党のほうが良いと感じてもらえない。

7)BIGワードをうまく活用していた。(これは作戦勝ち)

 「普天間の抑止力」とは何か、という広い意味の質問を投げかけることで、鳩山さんを混乱させた。
 結果として「不十分な回答=不十分な認識の人」ということが見せられた。しかしその後の「米軍の
 抑止力を谷垣さんは、アピールしすぎであろう。つまり中国などが反発してきそうなレベルで、日本
 国内の軍事力確保を説いていた」
8)その他
鳩山さん:質問をわすれないように質問をメモしている。
「私は、おろかな首相かもしれない」という捨て身の議論が空回り。本当におろかに聞こえた。
「たしかに、今はおろかといわれても、数年後には英断であった、と言ってもらえる」という
 言い回しをして欲しい。

(以下略)